story1車を軸にした家探し

私(♂34歳)の愛車は紺のアルファロメオ147だ。2003年式なので、いわゆる「10年落ち」もとっくに過ぎ、セレスピード(電子制御クラッチを用いたセミオートマチック)の不具合も頻繁に起こる。でも、そこがかわいいい。ちなみに、アルファを愛車にするならば、いちいち故障に嘆いたり、どこどこの調子が悪いだとか、あら探しをするのはナンセンスである。それは付き合っている女性の欠点を探すようなもの。女性はいいところを探して褒めてあげないといけない。欠点もかわいらしさの一部なのである。

一方、うちの奥さん(31歳)は赤のミニに乗っている。イタリア車とイギリス車、国は違えど、紺のアルファと赤のミニが駐車場で並ぶと、お似合いのカップルのように見える。
それに加え、私はリフォーム関係の仕事をしていて、社用車のハイエースで帰宅することもある。賃貸マンション住まいで、駐車場は別に月極で借りており、この状況は非常にモッタイナイと、前々から感じていた。そこで一念発起。一戸建ての購入を思い立つ。そんなわけで、私たち家族の家探しは、最寄り駅や間取りではなく、「車」を軸にして進んでいくことになった。

しかし、いざ探してみると、車が3台駐車できるような広さの物件(新築戸建もしくは土地)はほとんどないということがわかった。目安として30坪の土地に家を建てた場合、駐車場は1台分。45坪で2台分、60坪でようやく3台分確保できるようなイメージである。さらに言うと、私のロードバイク(さわやかなブルーのGIOSだ)、奥さんの電動自転車、チビ(息子3歳)の三輪車も停める必要がある。
今回の住宅購入にあたって私たちの出せる予算は3,500万円。60坪の土地の新築戸建(注文住宅)を検討した場合、相当な郊外エリアに行くしかない。田舎暮らしも悪くはないのだが、実際問題、通勤するのは不可能だった。はてさて、どうしたものか・・・。

そんなとき、友人から「こんな物件あるけど、どう?」と、紹介を受けた。家の1階部分が鉄筋コンクリート造のボックスガレージになっていて、なんと車が最大4台も停められる。月極駐車場は青空駐車場だったので愛車が雨風にさらされるのは致し方ないと思っていたが、屋根付きとはありがたい。しかも、ガレージ内部の高さが2.5mもあるではないか。これなら背の高いハイエースも十分おさまる。
まさに私たち家族のためにあるような物件だ。心が躍った。早速内覧に行こう。奥さんとチビの期待も膨らんでいるようだった。